鉄道の切符、軟券の魅力について語ってみた
ICカードが普及し、モバイル端末でも乗車も可能となった昨今、券売機で切符を買うという行為もなかなか希薄となっています。
切符に対するノスタルジーな気持ちも相まって、記念入場券など新たに切符が販売されています。
記念切符は、蒐集することを目的としているので保存がしやすい硬いボール紙に印刷がされた硬券切符が一般的です。
しかし、未だ健在な「軟券」切符も一部の鉄道ファンから支持されています。
軟券切符の魅力についてお伝えします。
軟券切符の歴史
1837年ニューカスル&カーライル鉄道のトーマス・エドモンソンによって発明されたエドモンド型の切符が、世界の切符の素になっています。
日本でもあらかじめ印字された硬券タイプの切符が主流となっていきます。
しかし、薄いロール紙をセットして印字するタイプの自動券売機が登場して以来、硬券は徐々に使われなくなり、この軟券と呼ばれるタイプの切符へととって代わっていきました。
軟券の切符の起源は自動券売機の起源とほぼ等しくなります。
- 1926年(大正15年)東京駅と上野駅に設置されたドイツ製のコインバー式入場券の券売機が日本初の券売機とも言われています。
- 1964年(昭和39年)硬券タイプの多種類の販売可能な多能式券売機が登場
- 1966年(昭和41年)汎用インク使用の軟券に印刷するタイプが登場。インクが濃すぎて手が汚れたり、薄くて券面が読めないなどの不具合があった。
- 1970年代後半、インクリボンと感熱紙を使用した感熱式の券売機が登場。インクの不具合は調整されました。
2000年以上、ICカードの普及に伴い、券売機の更新は行われず、数も削減する駅が増えています。
軟券の種類
自動券売機で発見されるロール紙感熱紙に印刷される軟券は一般的にはA型切符となります。
しかし軟券には、他にも以下のタイプのものがあります。
常備券
発行日以外の情報があらかじめ印字されている切符です。
野球場やスタジアムなど、イベントなど乗客が多くなる日などに特別に発行される往復切符などに使用されます。
磁気券
かつては一般的な紙に印刷された裏の白い切符。
今では、「うらが白いきっぷの方はこちらへ」と有人改札に誘導するようアナウンスがあります。
それとは異なる通常の自動改札に通せる裏が黒い軟券をあえて「磁気券」と呼びます。
軟券切符を蒐集することの魅力
軟券には、切符蒐集家が、わざわざ遠方まで足を伸ばして買い求めにいくほどの珍しいタイプのものがあります。
販売終了の軟券を集める
これはすでに販売終了してしまったもので、ネットなどでたまに販売されることがあります。
- JRの青春18きっぷの「赤券」
常備券としてJR四国や西日本、北海道の一部で販売された珍しい青春18きっぷがありました。
印刷された紙がほのかに赤い色の紙だったために「赤券」と呼ばれていました。
現在は販売を終了しており、マニアの間では価値が上がっています。
今では非常に珍しい補充券
手書きやスタンプなどを使用して行き先や日付などを書き込むことができる手作りの切符があります。
現在では、発行する駅は限られており、わざわざ切符を作ってもらいに駅を訪れるファンもいます。
補充券には、以下のようなタイプがあります。
片道乗車券
一般乗車券、もちろん自動改札を通すことはできません。
出札補充券
往復券などに使用されます。
料金専用補充券
特急券などに使用されます。
回数券
回数券専用の用紙も用意されています。
お客さんの希望に応えて手作りされる補充切符は、時間がかかるのですが、係員が経路や距離を相談して丁寧に作ってくれます。
始発駅から全国のどんな遠い駅までの切符も作ることができます。
かつてはJRの各地で発行されていた「補充券」は、現在JR四国の近永駅のみの取り扱いになっており、蒐集家の間でも話題の駅となっています。
近永駅のきっぷ売り場はJR四国から鬼北町が委託された簡易委託駅です。
鬼北町は地域発のために不可欠と委託販売を今後も続ける意気込みを示しています。
補充券の保持のため、是非頑張っていただきたいです。
軟券で販売する記念乗車券
ICカードの普及から券売機の削減が進み、軟券も新しいものが発行されなくなっています。
しかし、町おこしなどの目的であえて軟券で記念乗車券を販売される場合があります。
新幹線開業5周年記念乗車券
普段自動改札を利用する新幹線が、裏の白い紙の切符の常備券で乗れると話題になりました。
係員にスタンプ(入鋏)を押印してもらって改札を通る裏が白い乗車券はとても懐かしいですね。
できれば、スタンプではなく、入鋏を入れてもらえたらとも思ってしまいますね。
ふるさと納税の返礼品の軟券切符
路線の一部が廃線となった留萌本線が路線のPRにと「沼田町ふるさと応援きっぷ」を100セット限定でふるさと納税の返礼品として発行しました。
この記念切符があえて軟券のセット券ということで一部のファンの間で話題となりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
感熱紙に印刷されることが多い軟券は、保存が難しく、紙も薄いことから、かつては「ぺら券」などと呼ばれて鉄道ファンからは嫌煙されてきたこともありました。
しかし今回ご紹介したように、軟券にも歴史があります。
手書きやスタンプが押印された貴重な、常備券タイプのものもあります。
大事に保管されて鉄道の歴史を振り返る大事な資料とされることをおすすめします。
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