切符蒐集の世界
切符蒐集には、電車や飛行機、施設入場など、様々なジャンルがありますが、移動手段の際に手軽に始められるということから、多くのファンの方がいます。
その中でも国鉄時代の鉄道の切符や廃線となった私鉄の切符など、今では手に入れることができないものなど希少価値の高いものもあります。
マニア垂涎の品などを集めることにやっきになるコレクターもいらっしゃいます。
そんな切符蒐集の魅力、とくに鉄道の切符蒐集について語ってみます。
切符蒐集の魅力とは?
切符蒐集には、どんな魅力があるのでしょうか?
その魅力についてお伝えします。
希少価値のあるものを集められる
販売終了や、手に入りにくいなどの珍しいものを集める楽しみがあります。
- 廃線になりそうな駅の切符
もう2度とみることもなくなる駅の切符の購入に行列ができるニュースはよく見ますね。
- 定期購入用乗車券
鉄道会社によっては、無人駅や定期券を販売していない駅の定期券を購入するために、販売駅までの定期購入用乗車券を発行している駅もあります。
なかなかにレアな状態で発行される切符ですので、乗車券を別に購入するなどして、大事に保管される方もいるようです。
- 戦前の国鉄の切符などは、希少性が高いため、高値で買い取りされます。
切符に歴史的価値を見出す
切符は、鉄道の歴史の証人です。
鉄道事業は日々進化しており、それに伴い、廃線、廃駅、券売機入れ替わりなど、切符に関わる情報は常に更新されていきます。
切符は鉄道の歴史を物語る大切な資料なのです。
手元に残った切符は大切に保管したいものです。
資産価値が出る
希少価値や、歴史的価値がある切符は高値で取引されることがあります。
しかし注意しなければならないのは、転売目的で切符を購入することは犯罪になるということです。
かつてこんなニュースもありました。
筋金入りの鉄道マニアが希少価値高い列車の切符を転売目的での購入繰り返す | リアルライブ (npn.co.jp)
希少価値の高い切符の購入は、個人の趣味として購入し、以下の点に注意して売買を行いましょう。
- 迷惑防止条例違反(ダフ屋行為の禁止)
- 法外に値段を吊り上げる行為
- 古物商許可がある店に売る
集めたい切符の種類
マニアに人気の切符は以下のようなものです。
国鉄時代の硬券切符
JRの前身である日本国有鉄道の切符、大事に保管されている方がなんらかのご事情でオークションなどに出品する場合があります。
古美術商(鉄道関係専門もあります)などのサイトや店舗でも取り扱いはあります。
今ではなかなか手に入らない硬券切符なので、情報網を張っておく必要があります。
記念切符
新規路線や駅の開業、逆に廃線や駅の閉鎖などに伴い発行される記念切符は、数量や期間限定の販売なので、そのチャンスがあれば是非手に入れておきたい切符です。
また以下の記念入場券は価値が高いとされています・
- 越後線開業100周年入場券
- JR九州さようなら糸田線記念入場券
- JR東日本201系の日記念入場券
- 大阪鉄道局鉄道開通75年記念乗車券
手に入れるのが困難な切符
「きっぷ鉄」と呼ばれる切符マニアから聖地と呼ばれるのがJR予土線の近永駅です。こちらで販売される軟券の補充券は今やここでしか発行されていない手書きのもので、片道乗車券の補充券・出札補充券・料金専用補充券・回数券専用補充券を発行してくれます。
全国の愛好家がこの補充券を求めて近松駅を訪れます。
保存の注意点
切符蒐集をするにあたり、以下のことに注意しましょう。
感熱切符の劣化について
1980年代から1990年代前半の自動券売機で発行された切符は、退色が激しいものが多いです。感熱色素の素材が良くないものが多く、4~5年ぐらいすると印字がかなり薄くなり、ひどいものになると完全に消えてしまうものもあります。
最近のものは、高保存をうたっていますが、室内常温で7~8年程度ほどしかメーカーも保証しておりません。
また感熱紙だけではなく、間にカーボン紙を挟んで書き込んでいた補充券も時間経過と共に、退色しやすい特色があります。
保存に比較的適した切符
JRの窓口端末で発行する切符は、有効期間がながいものを発行するという目的上、外部環境に対する安定性が優れています。
平成16年以降に導入されたマルス端末で使用される切符用紙は「超高保存(2色印刷)」の感熱紙を使用していますので、直射日光に長期あてるなどしなければ、退色の心配はいらなくなりました。
長期にわたって切符の保存をしたい場合、窓口で購入できるマルス端末やPOS端末での購入がおすすめされます。
切符のサイズ別保存方法
鉄道切符はサイズが様々です。
サイズ別に保管する方法をご紹介します。
85㎜・122㎜サイズの感熱タイプ
85㎜は名刺フォルダーなどで代用可能
122㎜はL版写真のフォルダーで代用
クリアファイルの素材がポリエチレンの場合感熱インクと反応して印字が薄くなりがちなので、素材はポリプロピレンを選びましょう。
ポリプロプレン素材のヘアピン入れ(無印良品などで取り扱い)に1枚づつ入れられます
A型硬券、B型硬券
専用フォルダーでの保存をお勧めします。
切符蒐集家にも信頼の厚い、書泉のオンラインショップは以下のサイトです。
書泉 / 切符収納アルバム・リーフ (shosen.co.jp)
サイズに多少難ありというコメントもありますが、コスパがよいということで利用者の多いアマゾン取り扱いの商品は以下のものです。
Amazon.co.jp: クンペル アルバム リフィル チケットコレクションホルダー AB型 KPTH006 : 家電&カメラ
A型軟券
先述のヘアピンケースや硬券用のフォルダに収納
N型・K型マルス券、クーポンサイズの料金券や乗車券、トクトクきっぷなど
フォト・はがきフォルダーで保管(無印良品などで取り扱い)
ほかにも
ライナー券、乗車整理券、L型マルス券など、希少な特殊サイズの切符などは定型の保存フォルダーはないために工夫して保管されている方もいるようです。
今でも手に入る希少な切符
歴史的な意味で、もう発売されていないことから貴重な切符もありますが、今でも販売されていても珍しさから価値のかる切符もあります。
硬券切符取り扱い駅
- 「のと鉄道硬券入場券」
昨今の硬券切符の人気に伴い、のと鉄道は、2020年から穴水駅の硬券入場券の販売を再開しました。
さらに2021年から、能登鹿島駅、田鶴浜駅など5駅の硬券入場券を販売しています。
希望者にはだっちんぐマシンによる日付の刻印も受けられるとのことで人気が高まっています。
- 「相鉄線全駅」
特別補充券と硬券入場券は、相鉄全駅で現役で販売しています。
しかし、数に限りがあることで、相鉄側は可能であれば券売機の利用をお願いしているそうです。
- 「JR松田駅の硬券特急券」
JR東海松田駅で上り「ふじさん」の特急券は硬券です。
発見システムの都合で、硬券(料金券)とマルス券(指定券)が組み合わせ発行されます。
新規路線や駅の開業の記念切符
路線拡大や新駅開業はこれからも、可能性があります。
そんなシーンに立ち会えたなら、開業日に切符を購入して、大切に保管したいものです。
まとめ
今は価値がなくても、もしかたら?いつか価値があがる、お手持ちの切符にそんな軌跡が起るかもしれません。
軟券でぺらぺらで印刷も安い感じがする、と感じてもその駅が無くなってしまい、いきなり価値が上がる場合などもあります。
いつも使っている沿線の切符・お気に入りの鉄道・お気に入りの駅の切符・旅行の記念など。
価値が上がらないかもしれないけれど、ご自身の思い出として大事に蒐集するのもよいですね。
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